より子について。

より子は元々は自分のやりたい音楽だけをやっていて、深夜のラジオ番組に出演するようになって、毎月リスナーからのお題を元に曲を作るという作業を行ってきた(同時期に直太朗、後の森山直太朗も同じ事をしていたというのは興味深い)。この頃はまだ自分でお題を作る→曲を手がけろという行程だったから良かった(実際、この中から彼女のインディーズアルバムに収録されている曲もある)。

しかしながら、2002年夏に松浦亜弥が主演した「小児病棟の奇跡」で有名になりすぎてしまった。この頃から、より子の音楽を取り巻く環境は一変する。最初のうちは全く気づかなかったのだが、休止を発表する直前のマンスリーライブでは音楽的な専門知識をほとんど持ち合わせていない私にもぼんやり伝わってくるようになった。(詳しくはここ参照

この時、本当に彼女がやりたかった音楽はどのくらいできていたのだろう?


和田薫のやり方(個人的には嫌いではない)が彼女にとっては重荷になりすぎたのかもしれない。だからこそ、彼女は事務所を移籍する。そして、休んでいる間再度自分の音楽を見つめなおし、やっぱり自分は「歌うことが好きなんだ」と言うところに辿りついた。


残念ながら復帰後のより子のライブには1度しか足を運んでいない。そして、復帰後もまた悩みを抱えながら音楽活動をしているようだ。だからこそ、本人が12/27に書いた日記は凄く嬉しかった。人間の弱い部分をさらけ出して、それでも自分の音楽を貫こうとする彼女のことをこれからも見守っていきたいと思う。


こんなに人間味に溢れた音楽家、そう簡単に見つかりませんよ。