ターニングポイント

千葉県市川市といえば、もはやごっちんこと後藤真希の聖地としておなじみですが、もう一人忘れちゃいけない人(グループ)がいます。2002年秋、市川駅南口にあるCLUB GIO Ichikawaにて自身初のライブハウスツアー「C:BOX」の初日を迎えた市井紗耶香 in CUBIC-CROSS。彼女達はこのライブハウスツアーにおいて、オリジナルの楽曲だけで勝負してきた。言うなれば彼女達のターニングポイント。

はてな日記を巡回して、ジィビィ書記長。さんの束の間の幻影に辿り着きこの事実を知りました。CLUB GIO Ichikawaが今年いっぱいで閉店することが決定となったようです。原因は市川駅南口再開発計画に伴うもののようです。

あの日あの時、確かにボクにはCUBIC-CROSSの未来が見えました。その後に発表した楽曲『ずっとずっと』『journey』『4U〜ひたすら〜』『不器用な天使』からもそれは十分感じ取れます。名古屋、川崎での一部のバカどもの恥ずかしい映像がちまたで話題になっていますが、あれは本当の市井ファンじゃないから。活字としての未来は見えていないけど、きっと今ごろ更なる楽曲を創り出しているに違いない。

後藤真希同様、ライブでこそ真価を発揮するアーティスト、市井紗耶香。彼女が再びライブステージの中央に立つ姿をボクは待っている。


恥ずかしながらも、1年前のライブレポをここに記します(当時の原文そのまま)。


2002/11/22 in CLUB GIO Ichikawa
市井紗耶香 in CUBIC-CROSS LIVE HOUSE TOUR 2002 「C:BOX」 初日
セットリスト
01 Cランチ
02 帰りたくない
03 粉雪
04 ずっとね(アコースティックバージョン)
05 Hug & Kiss
06 マエ、ススメ。
07 失恋LOVEソング
08 届け!恋のテレパシー

アンコール
09 Same Time
10 人生がもう始まっている

握手会


この時をずっと待っていた。アルバムを中心としたライブ。C-Cの楽曲を中心としたライブ。
会場は市川駅と目と鼻の先。駅構内のコインロッカーに荷物を入れて開場時間を待つ。秋風が冷たく、ちょうど1年前のドッグヤードガーデンを思い出していた。やっとここまで来たんだね。

整理番号からステージサイドに行くことを決めた。とすれば吉澤直樹サイドに行こう。彼の煽りもレベルアップしているはずだから。開場とともに吉澤サイド2列目を確保。前も背の高い奴ではないし、予想通りのポジションがとれた。ここから約50分。ライブハウスはこの時間の使い方が面倒である。

開演時間5分前。5歳くらいの女の子2人を連れた大人が「ごめんね。」といいながら何気に最前列、オイラの右斜め前方に割り込んできた。やれやれ。と思いながら子供が好きな紗耶香のことだ。こっちに笑顔を振りまく機会が多いだろう。とちょっとその子供に感謝。でもこんなに小さなライブハウスにわざわざ子供連れてくるかぁ?

01 Cランチ
MC

予想通り、1曲目はこの曲だった。今回のアルバム『C:BOX』の1曲目。C-Cの様々な面を箱に詰め込んだ楽曲。適度にのれる曲であり、少しずつテンションをあげていく。開演し、ステージが明るくなると同時に紗耶香は最前列の二人の少女を発見した。そしてやや身をかがめ笑顔で手を振る。予想通り、紗耶香の子供に対する優しい笑顔を見ることができた。最前にいたファンが一斉に右方向を向く。今日はこの女の子を利用させてもらおう(笑)。

02 帰りたくない
03 粉雪
MC

アルバムから2曲。やっぱり今回のツアーはオリジナル中心だ。確かにカバー曲もいいんだけど、最初からカバーをやるというのに少し抵抗があった。だってそれは単にライブを行うためのオリジナル曲がないだけだから。ファーストツアーの初日。わずか2曲だけのオリジナル。同じ曲を2回歌うこと。この時点でライブをすること自体がやっぱりおかしい。とにかく今はオリジナルをどんどんやっていってほしい。

この2曲は幻のセカンドシングルと今回のアルバムの中でボクの一番のお気に入りの曲。手拍子をとらず、軽くリズムをとりながら、時折り目を閉じながら紗耶香の声に集中した。

MCでは地元、千葉のこと、市川のことを語った。そして今日家族が見に来ていることも。そして最前の二人の少女は紗耶香がよく遊んでいる(遊んで貰っている)親戚の子(?)ということも判明した。やっとこんな小さな女の子が野郎どもが集まる危険なライブハウスに来ていたかという謎がとけた。

04 ずっとね(アコースティックバージョン)
05 Hug & Kiss

ギターを持ち出し、『空』が来るのかと思いきや、今まで歌っていた曲をアコースティックで歌うとのこと。『失恋〜』を予想していたが、『ずっとね』だった。このバージョンはかなりいける。でもちょっと紗耶香のギターはぎこちなかったね。やっぱり緊張したかな?

02〜05を通して、ずっと紗耶香の歌声をはっきり確認できる曲が続いた。こういうセットは盛り上がり野郎どもには申し訳ないが、非常に心地よい。ボクはこの間、2列目にいるというのに手拍子の一つもとらず、紗耶香の声に聞きほれていた。ちょっと低めのまっすぐ伸びている声質。

06 マエ、ススメ。
07 失恋LOVEソング
08 届け!恋のテレパシー

聞き入る曲はここまで。『マエ、ススメ。』により会場のボルテージは一気にヒートアップする。アルバムを聞き込んできた頃から、この曲は会場の熱を高めるポイントに入れてくることは容易に想像できていたので、いよいよ来たなという感じだった。紗耶香。直樹。さあ勝負だ!

この曲はテンポもとりやすく、合いの手も入れやすいので会場が一体化するには本当にいい曲である。無論、ボクも飛んでいたし、紗耶香と直樹を挑発したし、一気にライブモードに突入した。ただあまり激しく動いて、前の少女にぶつからないように気を使うのはちょっと大変だった。

『失恋LOVEソング』の後、「最後の曲」と紗耶香が発した。ここまで、まだ7曲しか歌っていない。でもそれはこのライブにカバー曲が1曲も登場しないことを完全に認識させた。勿論、時間が長いライブに越したことはないが、それよりもやっぱし質を重視したい。今、C-Cはオリジナルの楽曲だけで、ボク達に挑戦している。そしてボクは十分な満足感を味わっていた。時間が少しくらい短くたっていいじゃないか。大事なのはどれだけライブを楽しめたかってこと。

その最後の曲は今までずっと酷評していた曲。ところが06〜からの流れでライブモードに入っているボクには自然と受け止めることができた。他のサイトで言われてきた、この曲はライブ向けの曲。その意味がやっとわかった。こういう曲はアルバムでいいのになぁとか思いつつも、最後の力を振り絞り(いや全然余力ありました)、全力でC-Cの挑発に受け応える。

09 Same Time
MC

アンコール。1曲歌った後、紗耶香から突然の告白が待っていた。この後、握手会をやるとのこと。皆が予想できなかった展開に会場は盛り上がる。

10 人生がもう始まっている

最後はデビューシングルでもあるこの曲。PPPH否定派のボクは紗耶香ハイ!は一度もやらなかった。でもツアー初日ということもあって、この曲ぐらいしかPPPHがなかったような気がするのだが、気のせいかなぁ。そうだったらとっても嬉しいんだけど。この曲もCDでじっくり聞く曲ではなく、ライブモードで聞く曲だ。C-Cの原点ともいえる曲。C-Cの歴史の第1歩となった曲。さあみんなでラストをしめよう!

突然の握手会ということで、語りかける言葉もみつからないまま望んだ。まあ紗耶香だけだと思っていたので、ある程度待ち時間でセリフはまとめていたのだが、まさか全員いるとは思わなかった。そう、これは市井紗耶香のライブではない。市井紗耶香たいせー吉澤直樹で構成される市井紗耶香 in CUBIC-CROSSのライブ。3人並んでいたことがとにかく嬉しかった。その時用意していたセリフは完全に飛んだ。

直樹に:「宇都宮にもいきますよ。」
紗耶香に:「このツアーでまたBIGになってください。」
たいせーに:「良かったです。」

最初が直樹だったこと、一言しか話せない流れだったこと、セリフが飛んでいたこと。オレは何を言ってるんだぁ!?まあ、紗耶香にはなんとか考えていたセリフを一言にまとめられたのだが、後はあっという間の出来事だった。直樹は特に何の返答もなく、紗耶香は「ありがとう」の一言。たいせーとは見つめ合って、うなずきあった。ん〜ますます意味不明だ。!!

時間にして、ライブ時間が約1時間ちょい。握手で約20分。確かに公演時間は短かったのだが、チケット代が3000円ということを考えれば納得がいく。最近の某ライブはチケット代だけやたら高くなってて中身は全然だからね。そして何より生バンドでフルコーラス。当たり前の事を普通にやる。アットホームな雰囲気。一体感。メンバーにとってもファンにとっても納得のいくライブになったと思う。少なくともボクにとって今日のライブは大成功だった。このツアーが終わるとき、市井紗耶香、そしてC-Cはまた一回り成長するんだなぁと確信し、市川の街を後にした。そうこのツアーはまだ初日なんだから。。。

最後に二人の小さな天使達。紗耶香の満面の笑顔を運んできてくれてありがとう。